「ネコ神さまと、ななつぼし」本日発売です!
とある成り行きで、神を名乗るネコミミ少女・奈々原風子に命を救われた怜司。
だが、その身体の中には、神の力が未だ残ったままだった。
本来は人間の中にあるべきではない力である。
このままでは、怜司はもちろんのこと、力の足りていない風子も共倒れしてしまうらしい。
そこで、この望まぬ心中をどうにか回避しよう! と、互いに手を取り合うこととなる。
風子いわく、神の力は7つのカケラに分かれており、その内の3つが怜司の中に入っているそうだ。
安全に取り出す方法は、ひとつだけ。
どんなことでもいい、怜司の心を強烈に揺さぶるのだ。
幸い、通っている舞広学園ももうすぐで夏休み。
残された時間は、多分あとわずか。
せいいっぱい生きるため、全力で突っ走る夏が始まる。
あざやかな金髪とネコミミを備えた、種違いで最愛の妹・青葉英梨歌が、
今朝も姉である男、怜司の部屋を元気に訪れていた。
そう……男。
兄である怜司は正真正銘の男なのだが、妹の姉なのである。
そしてネコミミも正真正銘のネコミミであり、
とある切っ掛けで出たり消えたりはするものの、取り外しはできない。
少々複雑な理由からこうなってしまっているのだが、当人である怜司はあるがままを受け止めており、
訂正もしなければオネエ言葉も話さずに日々を過ごしている。
とはいえ、これが青葉家の日常かと言えば、そうではない。
妹は、兄のことを“お兄ちゃん”と呼ぶべきであるし、ネコミミも無いのが当たり前である。
自身の抱えるカケラの問題をどうにかすれば、英梨歌のことも解決されるはず。
そう考え、今日も怜司は元気に苦悩するのだった。